札幌学 北海道弁をつれづれぶろぐ4 ”〇〇さる”、”〇〇さった”は便利な北海道弁なのです

 札幌学 北海道弁をつれづれぶろぐ4です。北海道弁をつれづれぶろぐの4回目です。今までの続きが、その2で、続きの続きが、その3になります。どこまで続くか分かりませんが、今回がその4、4回目にあたります。

 先月、10月の中旬のことですが、私、ふらぬい、私の田舎、北海道上富良野町に帰省しておりました。たまたま、私の次兄の嫁(私と年齢が近い)と私の甥(つまり次兄と次兄の嫁の息子)の嫁(私と二回り半ほど年齢が離れている)と話をしておりまして、ひょんなことから甥の嫁がテレビのリモコンのスイッチを押し、テレビの電源を切ってしまったのですね。その時、甥の嫁から出た言葉です。「あら、テレビの電源スイッチおささった(押ささった)」との言葉が出たのですね。「おささった、押ささった」、懐かしいひびきでしたね。東京、横浜じゃあ、「あら、テレビの電源スイッチ押しちゃった(切っちゃった)。ゴメン。」となりますね。自分自身が行為の主体であり、その当人がテレビのリモコンスイッチを押し、テレビの電源を間違って切ってしまったのですよね。でも、このように自分の故意でなく、不可抗力で結果的にあることをしてしまった場合、北海道では言い方が違います。例えば、この甥の嫁の行為の場合、北海道ではテレビのリモコンの方が主体になります。ですから、「私が○○しちゃった。ゴメン。」とはなりません。「・・・・おささった(押ささった)」ですべての行為の説明になるのです。

”押ささる”には、自分の故意ではなく、不可抗力で結果的にそのようになった(押されてしまった)との意味合いがあるのです。その言葉を聞いている北海道人も度量が広い?ですから、「押ささった」のなら仕方がないと考えるのですね。

北海道弁の”〇〇さる”、”〇〇さった”は”故意的ではないけれどもなにかの不可抗力・はずみで結果的にそうなってしまった”時に使います。

言語学の権威の方(三上章博士)によりますと、北海道弁の”〇〇さる”、”〇〇さった”は所(しょ)動詞にあたるのだそうですよ。ちと私、ふらぬいの知識をひけらかしますよ。

動詞を受け身になるかどうかによって分類した場合、受け身になるものを「能(のう)動詞」、ならないものを「所(しょ)動詞」と呼ぶ。能動詞には、直接受け身の成り立つ他動詞と、自動詞でありながら受け身になるもの(いる・死ぬ・泣くなど)とがある。所動詞には、「ある・要る・見える・消える・できる」などがある。

それで、三上章博士は
所動詞とは①おのずから然(しか:そのように(する))る。(自動詞)
能動詞とは②みずから然(しか:そのように)する。(自動詞)
       ③ものを然(しか:そのように)する。(他動詞)

に分類しております。そして、
③は 「食 ベル,建 テル,ナ グル……」 のようにいずれの受身 も成立す るもので,多 くは動作の施受の方 向が顕著な動作動詞 であ る。動詞 のなかで もっとも動的なものであ る。
②は自動詞の多 くで,「 死 ヌ,泣 ク,降 ル,歩 ク……」 など 「はた迷惑の受身」のみ成立す る。「みず か ら然す る」とい うとお り,有 情(animate)の 主語が,あ ることが らを 「なす」
わけで,意 志 をもたない主体にあ る様態がおのず と発生す るのではない。 この点で 自動詞は(1)と(2)に分け られ る。
①は無情 の主体 に,つ ま りその動詞に関する限 りま った く意志を もたない(も ちえない)主体 に,あ る静的な様態が発生す る,あ るいはそ うい う様態 があ ると認定 され ることである。.た とえば 「彼女ハ和服ガ似 ア ウ」「彼 ハ金 ガ要ル」 である。 これ らに被動は どの ようにも成立 しない し,動 詞 の 「動」が似っ かわしくない。可能,自 発,価 値 などをあ らわす動詞が このなかに含まれ,「 アル,要 ル,ワ カル,デ キル,見 エル,聞 エル,(音 ガ)ス ル,話セル……」 などがあげ られ る。
(大河内康憲氏論文”被動が成立する基礎-日本語などとの関連で-”から引用(コピペ)しております。

無情の主体に、リモコンスイッチは意志を持ちえない主体です、ある静的な様態が発生する、あるいは発生すると認定する場合に使われる動詞が所動詞なのです。

それで、今回の私の甥の嫁により使用された言葉、「押ささる」、「押ささった」はその典型的な所動詞的な使い方なのですね。でも、言語学者は「〇〇さる」で所動詞と認めているのは非常に少なく、「刺さる」くらいなものなのだそうです。でも「刺さる」も、北海道では矢とか棘(とげ)が「刺さらさる」とも使いますからね。北海道人は所動詞使いの名人?かも知れません。

私、ふらぬいも幼少時代から、現在でも使い続けている言葉に、「書かさる」があります。
「書かさる」とは「書いてしまう」「書くことができる」「書ける」といったような意味です。「あ、このボールペンまだ書かさるぞ(わ)~(インクがないと思っていた)」「書かさらないぞ(わ)ー(書くことができないよ)」といった用法でも使いますね。言い方を変えて、「書かさっちゃう」とは、「意思に反して」「わざとではない」「間違って」といったニュアンスもあります。でも、我が子の前ではやはり「書くことができる」「書ける」を使っていた方が多いかも・・・。
道産子(北海道在住の北海道生まれ)はこの「書く」「押す」などにとどまらず、「足ささる(足してしまう)」「押ささらない(押しても無反応)」「打たさる(打ってしまう)」「見らさる(見てしまう)」なども使っているようですが・・・。

あっ、そうそう。北海道内でテレビ放映されている「おにぎりあたためますか」という番組が「YouTube」にアップされておりました。「押ささる」、「押ささった」はあたりまえだの北海道弁で、まだまだ面白い所動詞北海道弁が紹介されておりましたよ。貼り付けますね。

おにぎりあたためますか「北海道弁談義・ななたび」
.https://www.youtube.com/watch?v=5irCO6OrO_s

「押ささった」は立派な方言です、との紹介が北海道ファンマガジンの北海道方言ページにありました。どちらも貼り付けますね。

北海道ファンマガジン
http://pucchi.net/
北海道の方言
http://pucchi.net/hokkaido/language/other1.php

北海道の方言は、私の北海道弁をつれづれぶろぐの1と2でかなりの数、紹介しましたが、まだまだ見つかるかもしれません。

札幌学 北海道弁をつれづれぶろぐ4 ”〇〇さる”、”〇〇さった”は便利な北海道弁なのです、とのブログでした。

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