水漏れダム、水少しなら漏れない? 貯水量96%減のダム、それって堰堤では?

昨年、北海道に19年放置されていた水漏れダムが、今年になって20年目の放置の年を迎え、今度は「貯水量を96%減で使用」、「水少しなら漏れないダムで使用」できるとして、北海道開発局がさらに18億円投じる改修案が出てきたのだそうです。”水漏れダム、水少しなら漏れない? (430万トン)貯水量96%減のダム(18万トン貯水量のダム)、それって堰堤(えんてい)では?”と題するブログです。

私は、この水漏れダム、北海道富良野市西達布(にしたっぷ)奥の沢にある東郷ダムを既に二度ブログで取り上げました。水漏れダムをダムとは言えないなどと、かなり憤慨して書いておりますので、担当のお役人を傷つけたかなと思ってはいます。しかしながら、やはり技術者が犯した失敗はしっかりと技術者が失敗と指摘しないと、世の中良くならない?と思うからです。政治家とか国家公務員、役人は失敗を失敗と認めませんからね。きちんと指摘してあげないと、などと言いますと、くどい!との声も聞こえてきますね。

それで、私の東郷ダムのブログです。
http://470830.at.webry.info/200912/article_4.html
http://470830.at.webry.info/201109/article_9.html

でも、私、ふらぬいはただ失敗と責めるばかりでなく、救いの手もさしのべましたよ。私が上記ブログの中で、私が担当農水省役人ならとして、役人の方に塩をお贈りしたのでしたが・・・。当たり前ですが、結局は無視されましたね。役人に贈った塩を引用しますね。ただ、40年前に事業を始めたお役人の方はめでたく定年退職されて、高額な退職金と共済年金(どちらも税金です)を元手に、もう既に楽しい年金生活(ペンションライフと言います)をエンジョイされていますでしょうけどね。

---引用開始

私が農林省役人だったら、確認、調査、検討を尽くした上で、こう言います。「水漏れを起こす東郷ダムという、(皆さんが無駄だ、無駄だと言うなら、無駄だったかもしれない。)皆さんが無駄(と言う)ダムを造ってしまった。申し訳ない。しかしダムの水漏れのメカニズムは分かった。次回以降はこれを教訓に水漏れを起こさない仕組みを組み込んだダムを造る技術を確立した。(それだけでも無駄ではなかった)」とね。()内の文言は分かり易いように私、ふらぬいが追加しました。

---引用終わり

そしたら、さすが、流石の役人様ですね。なんと「水漏れダム、水少しなら漏れない」ダムだと仰っているとのことです。つまり、「水漏れダムでもダムはダム」とね。役人の方は懲りない(?)のですね。でも、「ダム」と呼ばれるには国際的に定義があることもちろん、お役人さんはご存じですよね。こんなに貯水量を減らしたダムをお造りになるお役人さん。まかり間違っても、ただの堰堤(えんてい)と呼ばれることはないでしょうね。心配してますよ。

それで、先日朝日新聞、毎日新聞が報じていました。朝日新聞を引用します。

「20年前に完成したのに水漏れして使いものにならない北海道の農業用ダムを、北海道開発局が貯水量を当初計画から96%も減らして使う改修案をまとめた。同局は水田から畑への転換や、離農者が増えて農業用水の需要が減ったと釈明するが、改修した場合には新たに18億円を投じることにもなる。
このダムは富良野市の「東郷ダム」。周辺農地の水を賄うため1972年度に建設事業を始めた。92年度に完成したが、その後の貯水試験で水漏れが判明した。周辺の岩盤が割れていたのが原因で、補強に多額の費用がかかるため、事実上放置されてきた。会計検査院が昨年9月、ダムを使わずに水を確保することも含めて早急に対処するよう農林水産省に要求した。これを受け、同開発局が貯水量を当初計画の430万トンから96%減の18万トンとし、ダムは岩盤の補強が必要ない部分だけを使用、ほかに必要な水は河川から調達する案をまとめた。計画当初は水田を中心に用水確保を想定していたが、周辺では水田が減って畑が増加。離農者も増えて貯水量を大幅に減らせることになったため、としている。
地元の合意を取り付け、事業開始から約半世紀後となる、2019年の使用開始を目指す。これまでの総事業費は用水路を含めて379億円。担当者は「これまでの工事が無駄だったと言われるとそうかも知れない」と話す。一方で、今回の案では取水口を改修する必要があり、さらに18億円を投じることになると言う」

農業用水の需要が減ったとのことですが、水田から畑の転換やら、離農者が増えた原因が、この水漏れダムが原因との可能性がゼロであるとは言えないでしょうね。私はその原因の大きなものがこの水漏れダムだと考えますよ。だって、完成してから20年使えない。建設着手から40年経過しても使えないダムですからね。いくら北海道富良野の農民が我慢強いと言っても、「出来ない物は仕方ないべさ」とやむなく離農されていったのだと思いますよ。あの「北の国から」が放映される10年前から取り組んでいた事業でしたからね。
それでも、お役人のお仕事ですから、ダムを1基造ろうとして、水漏れダムでもとにかくダムが1基できたとしたら、それでよしとするのでしょうか。つまり、ダム1基の建設計画に確かに1基、ダムができたのだから仕事として立派に出来たことになるので問題ないとね。そうかな・・・。
私、ふらぬいなんて私企業で死にものぐるいで仕事していましたので、やはり、自分が開発設計した装置が会社にどれだけ利益をもたらすか考えながらプロジェクトを遂行していましたからね。開発設計、製造、納入、動作試験、客先引き渡しそれら全てをやって、投資対効果の評価が必要と考えていたのでした。ダム建設事業でも同じ事と思います。でも、お役人が使うお金は税金ですよね。それでも、投資対効果の考えは必要ですよね。しかも、建設計画時、建設着手時、建設途中時、建設完成時とおのおのの時点で評価が必要と思いますけどね。お役人には無理かな? それで、完成した暁にはどのようにこの「東郷ダム」プロジェクトを評価するのか、心配ですね。心配しても仕方がないですかね。税金で行われたプロジェクト、評価なんかしないでしょうから・・・。反省もしないでしょう。

あっ、それでダムの定義です。

ダムの定義は各国により異なるそうですが、1928年に創設され現在88ヶ国が加盟する国際大ダム会議における定義では堤高が5.0メートル以上かつ貯水容量が300万立方メートル以上の堰堤を「ダム」として定めているのです。そのうち、高さが15メートル以上のものをハイダム、それに満たないものをローダムといいます。日本の河川法でいうダムとはハイダムを指し、これ以外の堰堤についてはたとえ「ダム」という名称が付いたとしても堰(せき)として扱われます。ちなみに、明確な定義が無かった時期は、山に接して設けられるもの・積極的に流水を制御できる堰堤をダム、堤防に接して設けられるもの・常に越水するなど受動的にしか流水を制御できない堰堤を堰として分類していたそうです。しかし、堰の中にもダムと同様に洪水調節・流水機能維持を目的に積極的な流水の制御を行う施設も建設されるようになり、ダムと堰の区別が曖昧になってきたのだそうです。これにより、「ダム」、「堰堤」の明確な定義を定める必要性が生まれたと考えられているそうです。

上記、ダムの定義を参考にしますと、ダムは貯水容量が300万立方メートル、300万トン必要でしょう。東郷ダムが計画時通り430万トンの貯水量なら立派にダムでしょうが、今回の水漏れダム、つまり18万トンの貯水量ではダムと呼べないようですね。ですからこそ、東郷ダムを「ダム」の名の下に建設にするから頑張ってきたでしょうに。水漏れダムで貯水量18万トンだと、東郷「堰堤(えんてい)」になってしまう? 農水省殿、北海道開発局殿大丈夫でしょうか。
あっ、また敵に塩? 「東郷ダムはダムではなかった。だから無駄なダムは無かった」とか・・・。それとも、「堰堤は堤防でありダムとも言う」と報告書には書きますか?

水漏れダム、水少しなら漏れない? 貯水量96%減のダム、それって堰堤では? のブログでした。

あの、ダム、堰堤の定義に関係なく、日本では、ひとたびダムと呼ばれたものはダムと呼び続けるのだそうですけどね。 

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