新幹線混乱「人為ミス」であると、まさかね。で、真の原因は?

新幹線混乱「人為ミス」、JR東謝罪、システム表示を誤解、と本日(1月19日付け)の朝日新聞が伝えていました。

私は新幹線に「人為ミス」発生、大混乱ですから、すわっ!大事故発生か?と考えてしまいましたよ。嘘です。でも、あの正確無比、世界一安全な日本の誇る新幹線ですから、事故が発生したとしても、死者やけが人が出なくて良かったと思いましたね。
原因は、最初は、なんと 「人為ミスでソフトが不具合」でもあるとも伝わりました。 そんなことが許されるか、と思ってしまいました。 さらに、「人為ミス(オペレーションミス)でソフトが誤動作するはずはない」とも思いました。でも、ソフトの誤動作はなかったのです。しかしながら、新幹線がすべて止まってしまったのでした。

朝日新聞によりますと、
「この1月17日に発生したJR東日本の五つの新幹線すべてが一時運休したトラブルの原因は、運行担当部門がシステム表示の仕組みを知らされておらず、不具合発生と誤解したためだったと、JR東日本が18日に発表しました。JR東日本が、運行担当部門にシステム表示の仕組みを運行担当部門に知らせる必要はないと判断していた」からなのだそうです。

この朝日新聞記事を読んで、
JR東日本の体制というか組織が異常なものに見えてきますね。経営側、システム開発部門、運行担当部門に鉄道事業を行っていく上での、社員、皆で一致協力、連携、情報公開と情報共有のもと、乗客の安全第一を心がける、との考え方、意気込みがどうしても見えませんね。言い過ぎかな、失礼。でも、もっと怖いのはですね、経営側、システム開発部門、運行担当部門も、みんな運行管理システムのことを知らなかったと言うのが原因だったとしたらどうですか。この上にさらに、この運行管理システムを開発したメーカも知らなかったとしたらもっと怖いでしょうね。もちろん、開発メーカの方にはそんなことはありませんね。

「JR東日本の常務は「人為的ミスだった」と謝罪。担当者やシステムに問題はなかったとしたうえで、表示のシステムを変えるという。トラブルは東北、上越、長野、山形、秋田の運行を管理するシステム「COSMOS(コスモス)」と呼ばれる運行管理システムで発生。都内の新幹線運行本部室内にあるダイヤ管理用モニター22台のすべてで、到着予定時刻を示す青い線が正常に表示できなくなった。 運行指令部門はシステム不具合と判断し全列車を止めた。JR東日本によると、この日はポイント故障などで、24本のダイヤ変更が必要になり、必要修正個所がシステム上限の600件を越えたことが原因でもあった。そして、システム部門は表示の仕組みや修正上限数を把握していたが、運行指令部門には知らせてはいなかった。システム導入から15年以上たち、列車本数は4割増えたのに修正上限数は600件、そのままだった」と朝日新聞は伝えています。

関係者によると、その後に、JR東日本が「COSMOS(コスモス)」を共同開発したH製作所などと行った調査で、システム自体には問題がないことを確認。「人為的なミスでソフトが不具合を起こした」とも言っていました。

しかしながら、ソフトは正常に動作していた訳だから、「人為的なミスでソフトが不具合」は間違っています。少し、メーカさんが、お客さんであるJR東日本への配慮が働いているのかもしれないですね。

でも、待って下さいね。技術者だと分かると思いますが、「人為的なミスでソフトが不具合を起こしてはいけない」のではないか、と思いますよ。人為的なミスは必ず起こりますので、人為的なミスは必ずあるものとしてソフト、システムは作られているのですよ。少なくとも調査に参加したH製作所の技術者はJR東日本に非が及ばないように、別なことを説明したのではないですかね。H製作所の技術者は、運行担当部門に誤解を与えたことで、お客に対する技術者の良心から、H製作所側も責任が無いとは言えないと説明したのかも知れませんね。元技術者である、私、ふらぬいは善意から、そのように思ってしまいます。

事故発生当初、JR東日本は、「過去に例のない初めての事象。まったく原因がわからない」と繰り返しましたね。
ここに大きな問題があると私は考えました。
経験したことがないことは知らないということであり、たとえ、以前に経験した方がいても、それが引き継がれず、継承されないと、現在の担当には知らないことであり、その人にとっては、過去に例のないことであり、初めての事象で、まったく原因が分からないとなる訳です。

しかし、システムに不具合は起きていなかった。システムのモニターでは、列車が遅れて運行担当者がダイヤを変更すると、到着予定時刻の変更必要個所も表示され、上限の600件を超えると到着予定時刻を示す線が消える。データは1分毎に更新される。当時は入力作業中で上限を超えたり超えなかったりしていた。データ更新のたびに線が消えたり表示されたりしていたようで、担当者は「点滅」を不具合と受け取ったようだ。この仕組みを運行担当者に知らせていなかったと。この理由を問われてJR東日本常務は「現場に知らせるとダイヤ管理に集中できなくなると判断した。余裕のあるシステムを設計したつもりだった」と説明した。しかしその上限も余裕があるとは言えない。上限はコスモスの運用が始まった1995年から1回も変わっていない。この間一日の列車本数は約230本から約320本に増えているという。

私は、ああ、あれが起こったのだと思いましたよ。2007年問題として提起された事柄がですね。

皆さんは、2007年問題をご存じですか? もう、3年過ぎて、2007年問題がどんどん発生してきているのです。
2007年問題とは、団塊の世代が定年退職により職場を離れ、長年企業において大型汎用機などの基幹系システムを 開発・保守してきたベテランが引退してしまい、今まで培ってきた技術やノウハウなどが 継承されず、基幹系システムの維持が困難になる現象を指しています。
つまり、私、ふらぬいも含まれますが、団塊の世代の定年退職が始まった時に、コンピュータシステムを構築した世代が次々に退職してしまって、その次の世代は新しいシステム構築の機会がないのに、先輩が構築したシステムを引き継がなければならなくなった。ですから、システム更改(システムを新しいものに更新すること)または新規システム導入するときには実際の経験者がいないことで色々な問題が起こることを、2007年問題と言っていました。このJR東日本の運行管理システムであるCOSMOS(コスモス)は1995年運用とありますが、私がこの名前に触れたのはもっとかなり前だったと思いますよ。技術者としてこのシステムを調査したこともありました。

それで、COSMOS(コスモス)がまだ使われていて、現在の運行部門も含めてシステムについて、「過去に例のない初めての事象。まったく原因がわからない」、との言葉に接したときに、ああ、あれだ、2007年問題のこと、あれが起こったのだと思い出しました。
JR東日本内部でCOSMOS(コスモス)の技術継承、運行管理技術の継承がきちんと行われていないことからこの事故は発生したと考えました。この事故が発生しなければ、JR東日本の2007年問題は顕在化しなかったのだとも思いました。そして、JR東日本の経営側、システム開発部門、運行担当部門が真摯にこの2007年問題に向き合いきちんと技術継承に向き合うきっかけになってくれれば良いと思いましたが・・・。
でも、そんなこと朝日新聞も書いてはいませんでしたね。

さらに、
国土交通省関東運輸局は、このJR東日本のトラブルの原因究明と再発防止を求める警告文をJR東日本に出していたそうです。また、大畠章宏国土交通大臣は1月18日の閣議後会見で「原因究明と再発防止策を求めたのです。さらにさらに、(高速鉄道の)海外展開に疑念が生じない態勢を築きたい」と述べたそうです。

これは、国土交通省及び大臣も2007年問題には触れていませんし、ご存じ無いと思います。でも、海外への売り込みに悪影響するからとは、お考えがちょっといただけないかなと思いますね。

日本の新幹線システムがそっくりそのまま海外展開に使えると思ったら、それは違いますね。COSMOS(コスモス)運行管理システムはもちろん海外展開用に新たに開発する必要がありますよ。つまり、輸出先、お客さんの仕様に合致したものを提供しなければいけないのです。
日本が唯一新幹線を海外輸出した台湾の状況を調べると分かりますよ。海外展開にあたっては、新幹線車両は日本の新幹線そのままでも、運用・運行を支える運行管理システムはその国の事情に合わせて作り替えて納入する必要がありますからね。もしかしたら車輌も客先仕様で作り替える必要があるのかも知れません。日本のメーカはそれらを全て実現する力があるのですよ。日本のものをそのまま海外に輸出するのではありません。日本企業は政治家、官僚と違って優秀ですからね。バカにしてはいけませんよ。
ご存じ無いかも知れませんがね、台湾の新幹線は車両が一台線路上に立ち往生しただけで、全線不通になるようにはなっておりませんよ。例えば、上りの線路に車輌が動けなくなって立ち往生しても、次の車輌は下りの線路を利用して、故障の車輌を、追い越して進むことができるように運行管理されているのですよ。そのように線路も信号も運行管理システムも出来ているとのことですよ。これは、速く大量の乗客を運べば良いとの日本の新幹線システムとは違いますよ。輸送が滞ることを良しとしない台湾の鉄道技術がそのような新幹線を欲しがったからなのですよ。何を言いたいかといいますとですね、日本の新幹線システムそのものが全てのお客さんにとって良いものではなく、お客さんに合わせたシステムが海外展開には必要となるのです。そうしないと新幹線システムは海外展開はできないのです。お分かりになりましたか、国土交通省のお役人ならびに大臣殿。

あの、だからといって今回の事故原因の究明をしないで良いわけではなく、JR東日本さん、メーカさんと協力して、そちらもきちんとやって下さいね。

いつものように、話しはすっかり変わりますが、伊勢神宮の式年遷宮が2年後、2013年に行われますよね。
伊勢神宮の式年遷宮とはですね、20年に1度、御正殿をはじめ神宮すべての神殿や神宝を新しく作り替え、御神体を新宮にお遷しするお祭りです。古来1300年にわたり、受け継がれています。次回は平成25年。第62回式年遷宮を迎えます。
あの伊勢神宮の式年遷宮は何故行われるか知っていますよね。使えるものを何時までも使っていたら技術の継承はできないでしょう。人材育成と技術継承を同時に行うのです。そのために、わざわざお金をかけて遷宮を行うのです。日本経済がこれだけ閉塞感にさいなまれているのは、人材育成と世代間の技術継承がきちんとおこなわれていないからということもあると思います。しかも、今の政治家、官僚、企業人(こちらはあまり言いたくはないのですが)、世代交代(人材育成)、技術継承にはお金がかかるということを認識されていないのですよ。そのことが、この失われた10年となり、20年となって、さらに30年になるかも知れないのです。
日本における次代を担う世代(若者)の人材育成、技術継承移転、同じく資産(お金)の移転をやってきていないのは問題なのです。
それは若い世代に働く機会を与えられない今の日本の不甲斐ない現状にもありますがね。日本を元気にするため堺屋太一さんのいう世界一の「コア」をたくさん作り、若者に雇用を、そして日本を元気にしましょう。いつも叫んでいますよ。これからも叫びますよ。

私は、このJR東日本の新幹線混乱が2007年問題を顕在化したものと考えている一人です。まだまだ、これからこのような混乱は日本国中で起こるのではないかと思います。本当は起こしてはいけないのですがね。でも、政治家と官僚は、2007年問題に対し何もしないでも罪にはならないですからね。また言ってしまいました。失礼しました。

新幹線混乱「人為ミス」であると、まさかね。で、真の原因は?ブログでした。

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 1

ナイス

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック