北海道新聞社説、「ノーベル賞 北大で磨いた知が輝く」をつれづれぶろぐ

日本人がノーベル賞を受賞するのは、いつも嬉しいことですね。今年はノーベル化学賞を日本人2名が受賞しました。北海道大学名誉教授の鈴木章さんと米国在住、アメリカ・パデュー大学特別教授の根岸英一さんです。心からお祝いしたいと思います。有力全国紙新聞各紙、有力TV各局がノーベル賞受賞を取り上げていますが、ここはやはり、北海道大学名誉教授の鈴木章さんに敬意を表して、地元、北海道新聞の社説からつれづれぶろぐしたいと思いますね。

そこで、今回のブログのタイトル、北海道新聞社説「ノーベル賞 北大で磨いた知が輝く」になるのです。他の有力全国紙各紙は、ノーベル化学賞―「鈴木反応」が花開いた(朝日)、ノーベル化学賞 受賞の喜びを次につなげたい(読売)、ノーベル化学賞 お家芸の受賞を喜ぶ(毎日)、日本の素材技術の底力示すノーベル賞(日経)ですね。日本人として嬉しい、自慢できると力が入っていることは、しっかり読みとれます。

北海道新聞社説のタイトル、「北大で磨いた知が輝く」、は全国紙ではなかなか使えませんからね。鈴木章北大名誉教授の地元、北海道新聞の力の入れ方が有力全国紙新聞各紙とは違っているのがわかります。出だしを引用しますと北海道人でなければ分からない内容で始まります。

「ついに道産子ノーベル賞学者が生まれた。胆振管内むかわ町出身で北大名誉教授の鈴木章さんが、米国在住の根岸英一さんとともに化学賞に輝いた。 北大で培った触媒化学の研究成果が世界最高レベルの評価を受けたことを、ともに喜びたい」、と書き始めます。

鈴木章名誉教授は道産子(どさんこ)で、胆振(いぶり)管内のむかわ町出身なのです。道産子は皆さんわかりますね。北海道生まれは道産子とも言います。胆振管内は分からないでしょうね。北海道は広くて大きいために、道内が14の支庁に分かれているんですよ。室蘭、苫小牧、むかわなどは胆振支庁に属するんですよ。むかわ町は”ししゃも”の産地で有名ですから町の名前はわかるかもしれませんね。それで、北海道の地元、北大で培った触媒化学の研究成果が世界最高レベルの評価を受けたこと喜びます。

ここからは、有力全国紙新聞各紙とほぼ同じですね。

「鈴木さんの功績は「スズキ・カップリング(鈴木結合)」と呼ばれる有機化合物の合成にある。触媒にパラジウムと水酸化カリウムを使うことで、困難視されていた有機ホウ素化合物と他化合物との結合を可能にした。反応が速く副生成物も微少など利点が多い。これが、より複雑な化合物の効率的な生成を容易にした。鈴木結合は、抗がん剤や抗エイズウイルス剤などの医薬品をはじめ、テレビや太陽発電に使う液晶パネルの製造、各種の素材開発などに幅広く応用されている」、と続けます。

鈴木章名誉教授のノーベル賞受賞の業績ですね。スズキ・カップリング(鈴木結合)のすばらしい業績が述べられています。医薬品をはじめ、液晶パネルの製造、各種の素材開発などに幅広く応用されているのですね。私が、少し関係していて分かるとしたら、電子部品、液晶パネルですね。液晶パネルを初めて装置に組み入れて、使ったのですが、使い始めは、高価で品質がいまいちでした。それが、年を経るごと、どんどん安くなってかつ品質が良くなっていったのは、スズキ・カップリング(鈴木結合)」と呼ばれる有機化合物の合成が大きな役割を果たしていたのですね。電子部品の進歩の蔭にこういったすばらしい発明業績があったと今更ながら感謝してしまいますね。

ここからまた地元北大をとりあげます。

「北大の触媒研究は、戦前から世界を主導してきた。 北大はノーベル賞受賞者を輩出した国内7番目の大学になった。道内の研究者にとっても、大きな励みになるのではないか。鈴木さんは研究に出身大学は関係ないという。問われるのは「仕事の内容と質だ」と語っている。 研究の道は苦しい。実験を重ね試行錯誤を繰り返し、しかも必ず成果が得られる保障はない。 それでもひるまず未知に挑む勇気は、真理の探究と人間生活への貢献を結合させるための、有力な触媒の一つではないだろうか」、と語りかけます。

北大の触媒研究の先進性の説明に力がはいっています。私はこのような表現を大いに使うべきだと思います。まして、私はこのような表現を、自分の設計した通信制御装置を、世界各国の通信事業者に納入し、引き渡す時の技術移管の教育の場で、必ず使いました。日本が持つ、世界最先端の通信技術、通信の運用技術をこれからお客さんは使っていくのですとね。少し、自慢げにですね。今の若い技術者にこのような機会があるのでしょうかね。
鈴木さんは研究に問われるのは「仕事の内容と質だ」と語り、苦しい研究の道に勇気をもって挑むよう触媒を例えに励ましている。

そして、北海道新聞からの提言です。

「新しい価値は、世界中の科学者が取り組んでいる膨大な研究の中から生まれる。鈴木さんの研究成果は論文発表の数年後まで、あまり注目されなかったという。新しい時代を切り開く役割を、日本はもっと担っていきたい」、との意図です。

そして、子供たちに、知る喜び、発見する感動を教え、自分で考え工夫することを醸成し、受験偏重教育を見直すよう提案する。さらに、まとめとして、日本政府に

「科学振興予算の増額も欠かせない。先端分野ほど国際競争が激しく、勝ち抜いた国が産業化して世界市場を支配する。「2番目ではだめ」なのだ。 頭脳を海外に流出させず、国内で研究を完成させられる環境を整えていきたい。支援強化は科学技術立国を掲げる国の責務である。基礎研究を含め、長期的視野から条件整備を進めねばならない」、と説いていきます。

まったくもって、北海道新聞社説筆者の提言、その通りですね。あの、小惑星探査機「はやぶさ」の偉業も、そろそろ記憶の外側にはじきとばされかねない、日本の科学振興予算の惨憺たる実状、有様である。今回のように、日本の国際競争力、技術力を支える基礎技術の重要性は、今度のノーベル賞受賞といった、外部からのきっかけで、少しの期間、日の目を見、思い出しはするが、そのうちいつものように記憶の外側にはじき出されてきた。

日本企業の製品が国際的な市場競争力を失ってから久しい。まだ頑張っているものもあるが、商品として市場に受け入れられるかの技術競争力、価格競争力、そして商品としての魅力も国際競争力には必須のアイテムである。日本企業の国際競争力を支えるのは価格競争力だけではない、安易に海外に工場を移転し海外生産を増やすのが良い訳ではない。やはり、人材への投資が重要であろう。製品を安く作って儲けるための人件費削減ではない筈である。誰でもが安くつくれる製品なら確かに日本で作る必要はない。その分野の企業は海外で生産するのは当然であろう。しかしながら、海外で生産することは、必ずやリスクを伴うことを今回の尖閣諸島問題でも思い知った筈である。国内で生産するのもリスク、海外で生産するのもリスクはある筈で、それらリスクをうまく最小にしていく企業努力も必要である。そこにこそ企業戦略といったものがあるのである。そのために人材を生かす、育てることが企業がこれからの厳しい国際競争時代を生き延びる鍵になると思う。

鈴木章名誉教授は、「資源のない日本が生き延びるためには、頭を使う創造的な分野が大事」と科学の大切さを強調し、「理系分野も興味ある分野であることを若い人たちに知らせたい。北海道、日本のために頑張ってほしい」と若者にエールを送ったのであります。さらに、好きな言葉は、「精進努力」であると。

確かに、私も若い頃は、大学で、同じ言葉に励まされ、工学部の電子工学科を選んだのではあるが、ある時期から日本の企業、会社が、”make or buy” とか”集中と選択”とか、業績評価制度に”個人業績”とか”成果主義”とかを取り入れ、日本企業が得意としたチームプレー、技術伝承、人材育成に目が届かなくなったのが企業弱体化の原因の一つでもあるのです。言葉が一人歩きすると、かけ声が悪くなくても、うまく伝わらなくなる。うまく立ち行かなくなった企業は、立ち止まったり、見直せば良かったが、殆どの日本の企業はそれが出来なかったように思います。それが、失われた10年になり、いまや失われた20年になろうとしているのです。

鈴木章名誉教授は10月6日、札幌市北区の北大で記者会見し、「図らずも名誉ある賞を受賞できて非常にうれしい。受賞は多くの同僚や学生たちのおかげ。北大で研究できて幸せ」と喜びを語ったのだそうです。何故か古くて、それがまた新鮮な言葉の響きに含み笑いをしてしまいました。

どこかやはり1970年代の日本企業が世界の市場に光り輝き始めた時期の、大学の先生の教えを彷彿させるコメントに思いました。こちらをも思い出しつつ笑みがこぼれました。

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