日本版GPS衛星「みちびき」打ち上げ、暮らしも仕事も便利に、本当?

私としましては、日本版GPS衛星「みちびき」プロジェクトについて、残念ながらあまり存じ上げておりませんでした。昨日、9月10日、NHKーTVのニュースで、このプロジェクトについて知りました。日本版GPS衛星の打ち上げで、暮らしも仕事も便利になるのだそうです。自動車用ナビの精度がさらに向上し、また、人材不足、高齢化に悩む農業分野における農業トラクターの無人運転、危険な土木工事のブルドーザの無人運転の精度向上に寄与し、暮らしも仕事も便利になるのだそうです。

本当?、と続けてしまったのは、日本版GPS衛星「みちびき」打ち上げ、成功したあとにも難問が控えていることが分かったからです。日本でもやろうとしていたのだ、へ~え。でも、このGPS技術、自前の衛星で、何で今頃? 

何事も時期を失してしまうと、すばらしい技術でも、成功は期待できないですからね。そのさいたるものが、衛星通信における、イリジウム・システムであり、アイコ・システムであったと思います。どちらも、技術的にはすばらしいシステムでした。名前をご存じなければ、それはそれでいいのですよ。
何事に於いても、ビジネスはタイミングとコストパフォーマンスを考えないといけないのですよ。

それで、日本版GPS衛星「みちびき」打ち上げのことです。朝日新聞他が報じています。

衛星利用測位システム(GPS)を国産で初めて備えた準天頂衛星「みちびき」を搭載したH2Aロケット18号機は9月11日午後8時17分、鹿児島県種子島宇宙センターから打ち上げられる。「みちびき」は、カーナビなどに利用されている米国のGPSを補完し、日本の高層ビル群や山間地でも測位が妨げられない環境をつくるとともに、GPSの誤差を10メートルから1メートル以下に縮めるための技術確立を目指す。

「みちびき」が日本上空を通るのは1日8時間。24時間の運用には少しずつ軌道をずらした最低3機が必要で、その第1号となる。いつでも利用できるようにするには3機が必要だが、2機目以降は白紙状態。「日本版GPS」の将来は見えてこない。

「みちびき」は、宇宙航空研究開発機構が打ち上げ、測量やカーナビ、防災、観光、交通など58テーマで試験が行われる。

計画が始まった10年前、目的は位置測定に、通信、放送も加えた3本柱だった。M電機、H製作所、T自動車などが会社を作り、民間の利用や負担をとりまとめようとした。ところが、光ファイバーや地上デジタル放送の普及で、通信や放送への利用が期待できなくなり、会社は2007年に解散した。それで、政府だけで打ち上げることになった。

約735億円の開発費は、文部科学省が6割、残りを総務省、経済産業省、国土交通省が負担する。3機体制には、さらに700億円必要だが、新たな負担には難色を示す省庁が多い。GPSが無料で使えて現状でも不自由がないだけに、民間からの資金も期待薄だ。

こうしたなか、「安全保障」や「社会インフラ」として、意義を見直す動きが浮上している。GPSだけへの依存は、米国の更新予算不足や有事の際の運用変更のような不安が残るからだ。

世界では、ロシアがGLONASSを運用中。欧州はGalileo、中国がCOMPASS(北斗)という全地球型のシステムを試験中で、インドも一定地域が対象のIRNSSを開発する。

宇宙政策に詳しい北海道大の鈴木一人(かずと)准教授(国際政治経済学)は「独自の衛星を打ち上げることの安全保障上の意義は大きい」と指摘する。

日本は、政府の宇宙開発戦略本部が8月、準天頂衛星の今後を検討するプロジェクトチームを設置、9月7日に初会合を開いた。来年3月には方向性を示し、12年度からの予算に反映させる。

前原誠司宇宙開発担当相(国交相)は「情報収集システムを高めるうえで極めて重要。最終形が3機なのか7機なのか、検討を委ねたい」と記者会見で話した。

「7機」は特別な意味を持つ。3機ではGPSの補完、補強にとどまるが、7機ならGPSに頼らず、自国周辺の上空で位置測定ができる。衛星測位システム協議会の西口浩事務局長は「社会インフラととらえ、国家戦略として位置づけを検討する必要がある」と話している。

上記が新聞が報じる内容です。

それで、私見です。
日本版GPS衛星「みちびき」1機を打ち上げるのに、10年、これだけ時間がかかると、科学技術の進歩と国内並びに世界経済情勢の変動に着いて行けなくなるのが”おち”なのではないですかね。まして、この日本版GPS衛星「みちびき」1号機が成功裏に上がって、2機目、3機目・・7機目まで上げるのですかね。
それにしても、1機目が上がる前に計画上の目的が大きく変更になってしまっているのですから、3機打ち上げてもGPSの補完、補強にとどまり、7機すべて打ち上げて、やっと自国独自の位置測定ができることになる。こうなると国家戦略上も意味がある云々ということですね。でも、こういう話しが時間の経過とともに、あとからあとから出てくるようになったのが日本の科学技術が、経済もそうですが、停滞をきたしている理由だと思いますよ。

10年間このプロジェクトが何を目的にやっていたのは分かりますが、何故民間企業が降りてしまったのかの精査がなされているようには思えませんよね。どうせ、あとは税金、年度予算があるから使わないといけない、が見え見えですね。それは将来を見据えての計画の見直しが行われていないからです。特に、ある新技術開発プロジェクトが発足した場合、この技術をどう発展させていくか、必ず、計画(Plan)、実行(Do)、チェック(Check)、アクション(Action)のサイクルを回しますよね。ですから、普通は単年度計画と中長期計画を立てます。それと実行予算ですね。税金を使うだけの国の省庁と民間の企業は違いますね。民間企業は投資対効果(つまりどれだけ金をかけて、どれだけ儲かるか)を年度毎に計画を立てますね。それで、この技術、製品、商品のライフサイクル内で利益をあげることが出来ないと分かった段階で、プロジェクトは実行されませんよね。民間企業がこのプロジェクトから降りた理由はまっとうな理由からですね。つまり、その技術開発が次につながる、または利益が上がる、どちらも見込めないからなのです。

政治家が国家戦略というのは当然であり、勝手ですが、民間企業は企業戦略という言葉は使いますが、国家戦略には乗れないでしょう。つまり、2~7機打ち上げは、新しいビジネスが出てこない限り、または利益が見込めない限り、民間企業の参加は難しいと言わざるを得ません。

なんで日本の科学技術開発はこのようになってしまったのか、本当に残念に思いますよ。

税金の無駄遣いと言われなければいいのですがね。これは、あの小惑星探査機「はやぶさ」の世紀の偉業とは違うと思いますよ。

日本版GPS衛星「みちびき」打ち上げ、暮らしも仕事も便利に、本当? ブログでした。

あの、日本版GPS衛星「みちびき」打ち上げに反対している訳ではないですからね。GPS衛星「みちびき」のH2Aロケット打ち上げの成功は祈っていますからね。

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  • 日本初の測位衛星「みちびき」の打ち上げ成功

    Excerpt: 準天頂衛星「みちびき」を載せたH2Aロケット18号機は、11日午後8時17分に打ち上げられました。JAXAによると、「みちびき」は予定通りロケットから切り離され、打ち上げは成功しました。 Weblog: ローカルニュースの旅 racked: 2010-09-12 09:42